2014年2月10日月曜日

第9回例会

(※ 終了しました)
【 日時 】 2014年3月21日(金・祝) 15:00~18:10
【 会場 】 東京大学駒場 キャンパス 14号館 308号室

【 プログラム 】
15:00~16:30 講演:谷川建司(早稲田大学 政治経済学術院 客員教授)

冷戦期のアメリカ広報外交におけるスポーツの利用 ―CIE映画、VOAラジオ放送、マンガ―
Use of Sports in U.S. Cultural Diplomacy during Cold-War Era: CIE Films, VOA Radio Broadcasting and Manga

  冷戦期にあって、米国が世界に対して、ソ連の体制よりも自国の民主主義体制のほうが優れているのだと説得的に対話していく際の突破口を切り開く有効なツールとして、スポーツ、特にベースボールが強調された。ベースボールへの親和性が強い日本に対しては、CIE映画やVOA日本語放送というメディアに載せたソフトとしてのスポーツやベースボール関連コンテンツによってコミュニケートすることが、アメリカの対日占領政策を円滑に行わせる上でとりわけ有効だった。
  本発表では、1) CIE映画の中におけるスポーツ(ベースボール)の占めていた割合について、一都三県におけるCIE映画上映会の1950年一年間の上映回数・動員数の調査、2) 米国務省がVOAラジオ放送を通じて特に日本に対して数々のベースボール関連番組を放送したほか、日本、南米、近東、そしてフィリピンを中心とする他の極東の国々に対してジャッキー・ロビンソン出演の特別ラジオ番組の数々を計画したケース、そして3) 同じくロビンソンの伝記が子供向けマンガ物語として日米同時出版されたケース、について考察する。



16:40~18:10 文献紹介(担当:濱村 仁 / 東京大学 大学院総合文化研究科)
貴志俊彦・土屋由香(編)『文化冷戦の時代 ―アメリカとアジア―』国際書院、2009年: