2016年7月23日土曜日

第30回例会

(※ 終了しました)
【 日時 】 2016年9月25日() 13:00~18:15
会場 】 東京大学駒場 I キャンパス 2号館 303号室

【 プログラム 】
13:00~15:30 第 I 部 講演 コメント
   講演:山本章子(沖縄国際大学 非常勤講師
       コメンテータ:水本義彦(獨協大学 外国語学部 准教授)

デタント崩壊と大平外交―インドシナ政策を中心に
Ohira's Indochina Diplomacy in the Era of the Fall of Detente

 本報告の目的は、米国のカーター政権がデタントから新冷戦へと冷戦戦略を転換する過程で、インドシナ政策をめぐって日米間で隠れた対立が生じたことを解明することである。
 先行研究は、1970年代末の日本が米中両国の従属的アクターであり、米中国交正常化以降、両国の反ソ連携に拘束されるようになったと論じてきた。しかし、米中国交正常化直前に首相となった大平正芳は、親米保守政治家として有名だが、日米首脳会談でデタントの継続を説いたり、カンボジアに侵攻したベトナムに対する米国の経済制裁の呼びかけに反して、対越経済援助を継続しようとするなど、対米協調一辺倒ではなかった。問題はむしろ、大平首相が対米協調の一環としてこうした政策を採ったのに、ソ越両国の孤立による経済的疲弊を狙うカーター政権と対立する結果となったことにある。なぜ、このような日米間のインドシナ政策の齟齬は生じたのだろうか。
 本報告では、カーター政権内における、デタントを推進するヴァンス国務長官と、中国と連携してソ連に対抗するブレジンスキ大統領補佐官との対立が、日米関係に波及したことによって、日米間で政策共有が困難となった事実を解き明かしたい。



15:45~18:15 第 II 部 合評会 小谷 賢(著)『インテリジェンスの世界史 第二次世界大戦からスノーデン事件まで』岩波書店、2015年:https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/3/0291790.html

   基調講演:小谷 賢(日本大学 危機管理学部 教授)

        コメンテータ:松本佐保(名古屋市立大学 大学院人文社会系研究科 教授)
        コメンテータ:濱村 仁(東京大学 大学院総合文化研究科 博士課程)