(※ 終了しました)
【 日時 】 2013年11月23日(土・祝) 15:00~18:10
【 会場 】 東京大学駒場 I キャンパス 14号館 307号室
【 プログラム 】
15:00~16:30 講演:石垣 勝(東京大学 大学院総合文化研究科)
冷戦と核融合開発 ―国家威信と国際主義の狭間で―
The Cold War and Nuclear Fusion R&D: Between National Pride and Internationalism
冷戦は、国力と科学技術力との不可分性が強く認識された場でもある。とりわけ、大国たらんとする国々は、先端的‐未踏的な巨大科学の開発をそれぞれ国の威信をかけて推進し、鎬を削り合っていた。それゆえ、国家や同盟の枠組みを超える先端技術の情報交流は、厳重に統制されていた。
核融合開発も、各国間や東西両陣営間で覇権争いが繰り広げられた巨大科学の一分野である。だが同時に、国際協調による開発を志向する国際主義的な意識が早い段階から広く共有され、先端研究に関わる情報や人材でさえもが、各陣営内部においてだけではなく、“鉄のカーテン”をも越えて往来し続けた特異な分野でもある。
核融合開発では、なぜ、このように競合と協調とが共存しえたのだろうか?ここでは、他の巨大科学諸分野との比較によって、また、国際レヴェル/各国内レヴェルにおける政治-経済-社会的環境の変容過程、核融合開発の大規模化や国際ネットワーク形成の過程を俯瞰することで、その背景を探っていく。
16:40~18:10 文献紹介(担当:住田朋 / 出版社勤務 http://researchmap.jp/sumidatomohisa/)
J. R. McNeill (2010), "The Biosphere and the Cold War", in Leffler, M.P. & O.A. Westad (eds.), The Cambridge History of the Cold War, Vol.III, Cambridge University Press, pp.422-444.