2017年5月29日月曜日

第38回例会

(※ 終了しました)
【 日時 】 2017年7月29日() 13:00~18:15
【 会場 】 東京大学駒場 I キャンパス 2号館 303号室

【 プログラム 】
13:00~15:30 第 I 部 講演 コメント
    講演:藤沢 潤(神戸大学 文学部 特命講師
               コメンテータ:鈴木義一(東京外国語大学  大学院総合国際学研究院 教授
               コメンテータ:塩川伸明(東京大学  名誉教授

ソ連・コメコン諸国の開発援助(1967-1980)
――イラク産石油をめぐる域内協力とその限界――
The Developmental Aid Program of the Soviet Union and the CMEA countries:
The Intra-CMEA cooperation about the development of the Iraqi Oil Industry and Its Limits

 本報告の目的は、1960年代末から70年代にかけてのイラクにおける石油開発支援と石油調達をめぐるソ連・コメコン諸国の経済協力を検討することによって、冷戦と経済開発の関係の一端を解明することにある。
 この時期、イラクでは、自国に不利な石油利権協定を見直し、自国資源に対する権利を回復しようとする動きが活発化していた。それと並行して、イラク政府は、ソ連やフランスに協力を仰ぎながら、北部ルメイラなどでイラク国営石油会社による石油開発を進めた。
 ソ連指導部は、このイラク政府による「反帝国主義闘争」を歓迎し、イラクにおける石油開発支援に乗り出した。同時に、ソ連指導部は、コメコン諸国をイラクとの経済協力に関与させようと試み、コメコンの各種会合でコメコン諸国に対する積極的な働きかけを行った。その目的は、コメコン諸国にイラクから石油を輸入させることによって、ソ連のコメコン諸国向け資源・エネルギー輸出の急増に歯止めをかけることであった。このソ連・コメコン・イラク間経済協力はうまくいくかに見えたが、石油危機前後にイラクとの経済関係をめぐる国際競争が激化すると、社会主義諸国は次第に西側企業に太刀打ちできなくなっていった。本報告は、旧ソ連・東独史料をもとにこの過程を具体的に分析する。



15:45~18:15 第 II 部 合評会 三須拓也(著)『コンゴ動乱と国際連合の危機 米国と国連の協働介入史、1960~1963年』ミネルヴァ書房、2017年:

   基調講演:三須拓也(東北学院大学 法学部 教授)

        コメンテータ:倉科一希(広島市立大学 国際学部 准教授)
        コメンテータ:眞城百華(上智大学 総合グローバル学部 准教授)