【 日時 】 2014年11月29日(土) 14:30~18:00
【 会場 】 東京大学駒場 I キャンパス 14号館 308号室
【 プログラム 】
14:30~16:20 第 I 部 講演 & コメント
講演:麻田雅文(東北大学 東北アジア研究センター 教育研究支援者)
コメンテータ:加藤聖文(国文学研究資料館 研究部 助教)
コメンテータ:吉田豊子(京都産業大学 外国語学部 准教授)
中国長春鉄道の返還をめぐる中ソ関係 1949-1953年
The Return of the Chinese Changchun Railway to China and the Sino-Soviet Relations, 1949-1953
1949年10月、中華人民共和国を建国した毛沢東と周恩来は、中国東北(旧満洲)の幹線である中国長春鉄道(以下、長春鉄道と略記)の返還を求めて、同年末からモスクワでスターリンらとの直接交渉を開始した。そして1950年2月に中ソ友好同盟相互援助条約の調印にこぎつけ、52年末までにソ連が長春鉄道を返還することで両国は合意した。
中国側が成功したように見えるこの鉄道の返還交渉だが、毛沢東には大いに不満が残った。後年、その不満を折に触れて述べている。果たして、毛沢東の不満とは何だったのだろうか。一方のソ連側だが、第二次大戦前からあれほどこだわりを見せてきた、中国東北におけるソ連の最大の権益である長春鉄道を、スターリンが手放したのはなぜなのか。この間の交渉には様々な謎が残されている。
本報告は、その交渉の駆け引きを、近年公開されたソ連の公文書を基礎にして論じるものである。これまで長春鉄道の返還にまつわる中ソの葛藤は、主に中国側の文書によって論じられてきたが、ソ連側の史料も活用することで、より客観的に交渉の経緯を把握し、中ソ関係の初期における両国の力関係をも明らかにできるだろう。
中国側が成功したように見えるこの鉄道の返還交渉だが、毛沢東には大いに不満が残った。後年、その不満を折に触れて述べている。果たして、毛沢東の不満とは何だったのだろうか。一方のソ連側だが、第二次大戦前からあれほどこだわりを見せてきた、中国東北におけるソ連の最大の権益である長春鉄道を、スターリンが手放したのはなぜなのか。この間の交渉には様々な謎が残されている。
本報告は、その交渉の駆け引きを、近年公開されたソ連の公文書を基礎にして論じるものである。これまで長春鉄道の返還にまつわる中ソの葛藤は、主に中国側の文書によって論じられてきたが、ソ連側の史料も活用することで、より客観的に交渉の経緯を把握し、中ソ関係の初期における両国の力関係をも明らかにできるだろう。
16:30~18:00 第 II 部 文献紹介(担当:小川佐和子 / 京都大学 人文科学研究所 助教)
Tony Shaw & Denise J. Youngblood (2010), Cinematic Cold War: The American and Soviet Struggle for Hearts and Minds, University Press of Kansas: