【 日時 】 2016年2月13日(土) 13:30~18:45
【 会場 】 東京大学駒場 I キャンパス 14号館 308号室
【 プログラム 】
13:30~16:00 第 I 部 合評会 武田 悠(著)『「経済大国」日本の対米協調 ―安保・経済・原子力をめぐる試行錯誤、1975〜1981年―』ミネルヴァ書房、2015年:http://www. minervashobo.co.jp/book/ b195968.html
基調講演:武田 悠(外務省 外交史料館 事務官)
コメンテータ:楠 綾子(国際日本文化研究センター 准教授)
講演:松本佐保(名古屋市立大学 大学院人文社会系研究科 教授)コメンテータ:楠 綾子(国際日本文化研究センター 准教授)
コメンテータ:吉岡 斉(九州大学 比較社会文化研究院 教授)
16:15~18:45 第 II 部 講演 & コメント
16:15~18:45 第 II 部 講演 & コメント
コメンテータ:新谷 崇 (東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所)
コメンテータ:高橋沙奈美(北海道大学 スラブ・ユーラシア研究センター 助教)
コメンテータ:八十田博人(共立女子大学 国際学部 准教授)
冷戦期バチカンの国際政治における役割
The international role of the Vatican during the long term Cold War
The international role of the Vatican during the long term Cold War
冷戦の開始は一般的に1945年とされるが、ロシア革命勃発の1917年とする説もある。本講演は冷戦を、ソ連の樹立から崩壊までの1922~1991年として捉え、この間一貫して「反共産主義」の立場であったバチカンが、国際政治においてどの様な役割を果たしたかを概観する。拙著『バチカン近現代史』*の第IV章~VIII章に主に焦点をあて、お膝元であるイタリアを中心に東欧を含む欧州との関係、そして冷戦時代の主要アクターである米国との関係、さらには「米国とソ連の代理戦争」と言われたベトナム、ラテン・アメリカや中東の紛争も視野に入れて考察する。
バチカンとムッソリーニの間に締結された1929年のラテラノ条約、ナチス・ドイツとの1933年の政教条約、そして1939年の米大統領ルーズベルトの個人特使のバチカンへの派遣、戦後1948年のイタリア総選挙への米国との協力介入、第二バチカン公会議の国際政治的なインプリケーション、西ドイツの東方外交への支援、ベトナム戦争やラテン・アメリカでの紛争への米国の介入への支援、ヘルシンキ軍縮会議への関与、そして冷戦の崩壊にむかっての米国との協力関係などについてである。
* 松本佐保(著)『バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘』中央公論新社、2013年:
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